三十三観音作成第8弾。22~24番目。
㉒ 葉衣観音
葉衣とは、千の葉を紡いだ袈裟という意味で
古代インド東南部にいたシャンバラ族の巫女がモデルなのだそうです。
肌の色は、赤・黒・青・黄などさまざまで
オーソドックス?な一面二臂のほか、一面四臂や三面六臂もあるそうです。
本来は憤怒相とされているそうですが、国内像では一面四臂の慈悲相も確認されており
今回はそちらで作ってみました。
真手*5の右手に吉祥果、左手に金剛斧を持ち
ご利益:信者が居住する地域を罹病*7と罹災*8から守り、統治者をも守護する
仏像図彙*9では
崖の岩盤に葉を敷いて坐し両手を袖に隠した二臂像で描かれていますが
造形仏としては四臂像のほうが認知されているようです。
巫女がモデルとされてることからもわかるように、女性尊格仏。。。
となるはずなんですが。。。性別無視されてるのは日本仏教あるあるです。(苦笑)
㉓ 瑠璃観音
手に柄香炉(または柄の付いていない香炉)を持つ。
香王*12観音とも呼ばれ
香炉から漂う香りのように、あまねく衆生の苦厄救済をしてくださるとされています。
「東方瑠璃光浄土*13の教主*14」である薬師如来が観音変化したものとも云われています。
ご利益:水難、厄除け
上説どおりにいくと、水難除けというよりは
薬師如来と同じご利益を持つはずなのですが、病気平癒は記載されてなかったです。
国内での作例はそれほどないようですが
香炉かも知れないということで、瑠璃観音と唄っている像もあるそうです。
㉔ 多羅尊観音
インド神話の女神:ターラー(ターラカ)が源流で
ターラーとはサンスクリット語で瞳を意味するそうです。
観音菩薩が「自分がいくら修行しても、衆生は苦しみから逃れられない」と悲しんで
流した二粒の涙から生まれた。と云われる仏様です。
左目の涙からは緑ターラー、右目の涙からは白ターラーが生まれ
緑ターラーは衆生のもとへ瞬時に現れ救済するアクティブタイプで
白ターラーは母のような慈しみをもって救済する包容タイプとされています。
どの色のターラーも女性尊格で、上半身裸で胸をさらけだしています^^;
今回は、その中でも特徴的な白ターラーをベースに和風チックに仕上げました。
左手に青蓮華を持っており
両目の他、額・掌・足裏にも1つずつ眼があり、全部で7つの眼をもっています。
足の裏にも眼!というのはかなり異質かと思います。
ご利益:煩悩苦界*18からの救済
仏像図彙では、手を袖に隠し、雲に立つ姿となっています。
国内寺院での立像は皆無に近いのではないかと思います。
絵などではあるようですが、日本画ではなくチベット仏の油彩画のようです。
日本国内での知名度はかなり低いですが
チベットでのターラーは、釈迦如来や不動明王に次ぐほどメジャーな菩薩だそうです。