三十三観音作成第5弾。13~15番目。
⑬ 一葉観音
水面に浮かぶ一枚の蓮の葉(あるいは蓮の花弁)に乗る姿で表される観音様。
ご利益:水難救助・暴風雨水害除け
メジャーというほどではないですが
蓮池がある寺院では、見かける機会があるかも知れません。
地面にではなく、水面に浮かんでるような配置で祀られることが多いです。
あまり深い池には祀られていない、もしくは池のそばの地面に祀られているようです。
ちなみに、中華料理などで使うレンゲ(陶製スプーン)は、正式には「散蓮華*2」といい
蓮華の花弁と形が似ていることからそう呼ばれています。
⑭ 青頸観音
衆生を救済するため、あふれ出て止まらない猛毒を飲み干したと云われ
そのときに首が青黒くただれてしまったことから、青頸観音と呼ばれています。
サンスクリット語では「ニーラカンタ」といい、インド神話のシヴァ*8の異名の一つで
乳海撹拌*9において猛毒を飲み干し、その毒で首が青くなったというエピソードに由来する。
つまり、シヴァ神が仏教に取り込まれ観音となった姿です。
日本古来の絵図などでは、いわゆる人と同じ二臂像で、岩場に坐し
傍らに柳枝が入った水瓶が置かれている表現がされていますが
前述のとおり、原型はシヴァ神とされており
青頸観音には、極めて稀ですがシヴァのエピソードに近い像容のもあるので
今回はそちらで描き(作成)ました。
像容は三面四臂。各々の手に持物をもっている。
特筆すべきは、真面*10は菩薩面、右は獅子面、左は猪面という三面。
ご利益:全ての災難除け・繁栄
そもそも絵図くらいでしかなく、二臂・四臂像ともに、立体仏としてはほとんど無く
彩色もされていないため、一番の特徴である青首の表現は見受けられない。
二臂像姿の絵画においても、首を青く彩色したものは無いように思います。
これは極私的疑問&考察ですが
シヴァって、首だけではなく全身青色かと。。。
猛毒が首から全身に広がったからなのかな???
有名なシヴァの姿は青い肌で一面三目四臂だと思うのですが
菩薩が色んな姿に化身するように
シヴァに限らずインド神話の神もさまざまな姿に化身する。
。。。ただ
獅子と猪の顔は、ヴィシュヌ*11の化身であるナラシンハ*12とヴィラーハ*13に思えるし
四臂の持物もヴィシュヌのそれに類似してるのが奇妙。
シヴァは破壊神、ヴィシュヌは維持神とされることから
維持救済という意味合いでヴィシュヌ要素を組み込んだのかな?と思ったりも。
⑮ 威徳観音
左手に蓮華を持ち、盤石上に趺坐し水面を見据えた姿で表されています。
ご利益:局面打開・強い意志を持つ様になれる
管理職の助っ人?ともいわれるそうです。
絵図くらいでしかなく、立体仏はほとんど無いと思います。
威徳とは、威厳があり、徳が高いという意味。
なんというか。。。私的には
威厳とだけきくと。。。近づきがたいような怖いような印象を受けますが
権力によるものではなく
決して圧をかけることなく、人に尊敬されるようなことが威徳かなと。