五大明王③ ヘビつけすぎっwww
東の次は南の明王をピックUPします。
横並びの場合、東南西北(トンナンシャーペイ)順になるもんで^^;
軍荼利明王
サンスクリット語のKundali(クンダリー)が語源で
「とぐろを巻いた蛇」「とぐろをまくもの」という意味があります。
蛇は執念深い動物と考えられたので、悪心を飽きることなく懲らしめる明王。
Kundali(クンダリー)には「甘露*2の壺」というもうひとつの意味があり
息災延命の威力に勝れた甘露軍荼利明王とも呼ばれています。
総じて目に見えない外敵・煩悩や、さまざまな障害を除く明王とされています。
ご利益:煩悩除去・息災延命
像容の特徴
定番ではないようですが、頭部には髑髏があしらわれています。
台座には、各々の足を乗せる二つの蓮華が設けてあり
これを踏割蓮華(踏割蓮台)または双蓮華(双蓮台)といい
軍荼利明王に限らず、躍動感のあるポーズを取ってる像に多く見られる蓮台です。
蛇が意味するもの
一番の特徴は体中に巻き付いた蛇
冒頭で、蛇は執念深いと述べましたが、蛇は煩悩の象徴ともいわれます。
煩悩の象徴を体中に巻き付けている???
もしかして、いったん煩悩を請け負って、それを全て消し去るってこと?
そう思ったんだけど、遠からずですがそれだけではないようで
毒をもって毒を制すみたいな感じですね。
あと、煩悩の象徴は性的なエネルギーであり
陰部に溜まっているのだとか^^;(「性的」なものなんで妙に納得w)
性的なエネルギーで悟りに至るという密教ならでは考え方ですね。
このように、蛇は善にも悪にもなるもので
これを調伏し、全身に巻きつけている軍荼利明王は
煩悩即菩提*6をあらわしており、自己の力(欲)制御を意味するそうです。
(生死即涅槃*7と対の概念なのだそうです)
三種の印相
あまり知られてないようですが、真手*8で結ぶ大瞋印*9のほかに
第三右手で剣印*10、第四右手で施無畏印*11を結んでいます。
代表的な持物
極私的疑問
ここに紹介しただけでなく、違う持物(例えば蛇索*21・鉞斧*22・五鈷鈴*23など)の組み合わせもあり
何パターンかバリエーションがあるのですが。。。
軍荼利明王のもうひとつの特徴である「甘露の壺」
甘露軍荼利明王という呼ばれ方もするというのに
像容の持物でそれらしき壺?瓶?が一切登場しないってのは何故なんやろ??
ていうかね。サンスクリット語のKundali(クンダリー)は、そもそも女性主格*25なので
本来は明王ではなく女神だったと推測されます。
明王といえば、どう見ても男性ですよね?
毎度のことながら、当時の仏教ってなんとしてでも男性寄りにしたがるんだね...( = =)
神域の島や山など、女人禁制という縛りがあるし
なぜそこまで頑なに女人を避けるんだろうね。
人の立ち入りを一切禁止する人間禁制ならまだしも
女人だけダメってのがいまいち納得できないんだよね。
それに、相撲の土俵も女人禁制。。。
伝統でかたずけられてるけど、これも不思議に思うんだよね。
逆に、女性専用車両ってのもなんかおかしい気もします。
これって、日本だけのもので海外にこういったものは無いそうです。
頭にある髑髏ってのは。。。単純に「とぐろ」を誤訳したからか
語呂合わせなんじゃないかしら?w 間違ってたらスマソンw
*1:【ぐんだり】
*2:【かんろ】不死の霊薬
*3:【きょうりょうりんしん】導き難い相手に対し、忿怒し積極的な介入を行う明王の姿に変化
*4:【どくろ】
*5:【ふみわりれんげ】両足ではなく片足用の蓮台
*6:【ぼんのうそくぼだい】煩悩がやがて悟りの縁となる
*7:【しょうじそくねはん】生死(煩悩があるゆえ迷い苦しむ)それ即ち涅槃(迷いが解消し苦悩が滅した状態)である
*8:【しんしゅ】本来の腕(第一手)
*9:【だいしんいん】
*10:【けんいん】魔を断ち切る印で、人差し指は刀身を表している
*11:【せむいいん】恐れを払う
*12:本来は手のひらをこちらに見せ上げている印相が施無畏印で、
手のひらをこちらに見せ下げている印相は与願印【よがんいん】なのですが
像によっては、手のひらを下げていても施無畏印とするそうです。
逆に、上げていても与願印とする場合があります(謎)
*13:【ばさらいん】親指と小指を合わせ、蛇神をつかんだ手をあらわした拳印で、三鈷杵を表している
*14:【かつまいん】交差させた跋折羅印で十字金剛を表している
*15:【さんこしょう(ばさら)】一切の天魔、外道を抑制する
*16:【かつま(じゅうじこんごう)】煩悩を絶ち、結界を張り悪霊などから守る
*17:【こんごうしょ(ごこしょう)】煩悩という敵を打ち負かす
*18:【ほうりん】煩悩を打ち砕く。悟りを求める心を得る
*19:【さんさげき】外の敵を避け、追い払う
*20:【ほうこう】煩悩を打ち破る
*21:【じゃさく】救いがたい衆生までも救済する大いなる慈悲
*22:【えっぷ】怨敵をくじき、鎮める
*23:【ごこれい】五鈷杵の片側が鈴になっており、その音色によって諸尊を驚覚し歓喜させる
*24:【かしょうざんまい】人間界と仏の世界を隔てる炎の世界
*25:主語が女性であり、女性に使われる言葉