三十三観音を描いていく ①
観音菩薩は、あらゆる人を救うために様々な姿に変身(観音変化*1)し
相手の性格や状況に応じ、それにふさわしい姿で現れるので千変万化*2すると云われています。
観音経の一章(法華経「観世音菩薩普門品第二十五」)に、三十三応身*3というのがあり
それを基に民間信仰されていた観音菩薩の姿を当てはめたものが三十三観音とのこと。
。。。ですが、三十三応身と三十三観音に直接的な関係はなく
本来の仏教色というよりは民間信仰ベースが多い。。。いわば派生形になるので
見たことはおろか、名称すら初耳のような極めて珍しいのもあったりします。
認知度が低いなら描いてみよう。。。ってなワケで、3Dで描いてこうと思います!
。。。とはいうものの、33体を描く(作る)には相当時間がかかるので
できれば月に3体ずつくらいのペースでUP予定です。(。。。たぶん^^;)
初回は三十三観音中、1~3番目までを載せようと思います。
① 楊柳観音
右手に柳の枝を持ち、病や災いを取り除くとされており、薬王*5観音という異名を持つ。
持物は、楊柳のほかに水瓶を持っている場合もあります。
国内では日本画などで描かれることが多く
造形仏としては少ないように思います。
ご利益:癌封じ・病気平癒
もともと爪楊枝は、柳の枝を使用していたことから
口臭予防などに適していたことが伺えます。
柳に含まれるサルチル酸の酸性を薄めたものが、解熱鎮痛剤「アスピリン」です。
代表的な観音変化に六観音というものがありますが
② 龍頭観音
龍に乗る観音菩薩で、騎龍*8観音や龍乗*9観音とも呼ばれています。
水神である龍を従え、洪水を起こすことなく恵みの雨を降らせる。
この観音様も、掛け軸など絵画で描かれることが多く
その名のとおり、巨大な龍の頭上に乗る姿で表現されることが多いようですが
造形仏としては龍はそこまで巨大ではなく、龍+雲座の上に乗る姿になっています。
一般的には水瓶を持ち、もう片方の手に楊柳を持つものや
如意*10、宝珠などを持つものもある。
水瓶には、甘露水または閼伽水*11が無限に入っているそうです。
ご利益:五穀豊穣・災難除け
夜叉が説法によって観音となったという説があり
これと関係してるかは不明ですが、任侠系入れ墨で有名な観音様でもあります。
余談ですが、腕時計の針を合わせるポッチのことを「リューズ」といいますが
漢字では龍頭と書き、もともとは龍の頭を模した飾りだったそうです。
③ 持経観音
その名のとおり、経典を持つ観音菩薩。
右手に持つ経典には、釈迦如来の説法の内容がすべて記されていると云われています。
左手は膝の上におき、袖を掴んでいるので手は見えません。
大抵の観音菩薩は蓮華座に坐すことが多いのですが
持経観音を含め、三十三観音の何種類かは、岩座に座っています。
白衣観音など、他の観音でも経典を持つ場合がありますが
持経観音という名称での姿は極めて稀なようです。
造形仏はもとより、絵画でもほとんど見かけないと思います。
ご利益:学業向上・合格祈願
ライターや編集者、小説家など字を書く仕事に強いご利益があるそうです。