みむメモ

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観音変化の最終形態!!

なんやかんやで、ようやく千手観音を描くことができました♪

 

千手観音

千手観音

こちらはメジャーな観音さまなので、ご存じのかたも多いかと^^

正式名称は、十一面千手千眼*1観世音菩薩といい

千本の手は、いかなる衆生をも漏らさず救済する、慈悲と力の広大さを表している。

正式名からもわかるとおり、十一面観音よりも後期に具現化されたもので

手のひらにも眼がついており、いわば十一面観音の進化版といった観音菩薩です。 

 

功徳も強大で、観音の中の王という意味で「蓮華王*2」とも呼ばれます。

また、王といわれるだけあり、28部衆*3 を眷属*4にもちます。

 

 

ご利益:ありとあらゆる現世利益を網羅。

 


像容の特徴

千手観音とはいえ、造形上は1000本も腕が無いものが殆どです!w

(ごく稀に千本以上の腕を再現している像がありますが、国内では数体しかありません^^;)

ただし、最低でも腕が42本という定義があります。

大半の腕は直線放射状にまとめ、ランドセル形状で背負わせた形状が多く

手のひらに眼がついていない像のほうが一般的です。

今回も、全ての腕が胴と繋がった造形にこだわってみました^^;

像容定義上は十一面四十二臂*5

 

十一面

 

 

真手*6合掌

(40手中1本は施無畏印

腕が多すぎるので

合掌以外は1割小さく作ってバランス確保^^;

なぜ腕が42本なのか?

千手と唄っておきながら、42手しかないじゃん。。。

これのどこが千手やねんっ!

詐欺やんっ!!サバ読むにもほどがあるやろっwww

って思いますわなw

 

これは、合掌している真手の2本を除き

40本の手の各々が、25の世界を救うという考えからきており

「40×25=1000」ということだそうです。(真手を足すと1002ですね)

 

ハッキリ言って苦し紛れの説明に感じるw

そもそも25世界ってなんやねんっ!ってなりますよね?w

 

ってことで、25世界の内訳を載せてみます。

25の世界

(正式には二十五有*7といい、三界*8をさらに細かく二十五に分類したものだそうです。)

欲界*9(4+4+6=14有)

色界*27 (7有)

四禅天*28 ・無想天*29・浄居天*30・大梵天*31

無色界*32(4有)

  • 四空*33(空無辺処天*34・識無辺処天*35・無所有処天*36・悲想非非想天*37

つまり、千手観音は三界のすべて(二十五有)を救う手が40本あるってことです!

 

変な例えやけど

従業員1000人のオフィスで

25名チームの課が40室・重役室が2つって感じ?(合計1002名)

まぁ~千手観音の千手ってそのような理屈ってことでしょうねw。。。たぶん^^;

 

余談ですが

二十五有の中で最高の位置にある悲想非非想天のことを有頂天と呼びます。

(TV等で、たまぁ~に「有頂天」って聞くけど、気楽に使う言葉ではないかもですな^^;)

本来は手のひらに眼がついている!

 

先に述べたとおり、千手観音の正式名称は十一面千手千眼観音です。

言い方はよくないですが、腕が42本に省略された形式であっても

本来は、真手である合掌を除く40本の掌には眼がついています。

(角度的に見えない位置や、持物によって隠れてしまう掌にも眼があります)

ですが、悲しいかな残念ながら国内の千手観音は、掌の眼も省略された像が殆どです。

(少数ですが、眼を筋彫りしてある像もあります。玉眼をはめ込んでる像となると極めて稀です。)

 


持物

前回描いた准胝観音とは違い、千手観音の持物38種は決まっているようです。

ただ、その数の多さ故、どの手にどの持物を持たせるか?などに決まりはないようで

作師によって配置が異なったり、持物の形状・大きさ比率などが違います。

(ただし、化仏は上、弓矢は対になるように配置。など大まかな決まりはあるようです)

㉘宝剣*38
㉚鉞斧*39
㉜水瓶*40
㉞葡萄*41
㊱楊柳*42
㊳宝鐸*43

 

⑭宝経*44
⑯宝印*45
⑱三鈷杵*46
⑳如意宝珠*47
㉒宝箭*48
施無畏印*49

㉖数珠*50

 

⑫宝鏡*51
⑥青蓮華*52
⑩錫杖*53
⑧紫蓮華*54

 

①月精摩尼*55

 

②日精摩尼*56

③④化仏*57

⑤宝鉢*58

 

⑬五色雲*59
⑦紅蓮華*60
⑪三叉戟*61
白蓮華*62

 

⑮宝篋*63
⑰宮殿*64
独鈷杵*65
㉑法輪*66
㉓宝弓*67
㉕宝釧*68
㉗羂索*69

 

㉙宝鉤*70
㉛髑髏*71
㉝胡瓶*72
㉟傍牌*73
㊲払子*74
㊴法螺*75

如意輪観音など、他の観音菩薩の持物は、全て千手が持っている。。。かと思いますが

馬頭観音の宝棒などは持っていないので完全網羅ではないみたいですね^^;

(化仏・宝印・五色雲など、千手観音独自の持物も多数あるようです。)

 

私的にアレンジした持物は、日精摩尼と月精摩尼。日光菩薩月光菩薩も持っている持物)

通常は円盤状で、細かいものなら使途などを筋彫りしてある程度ですが

自分は、半透明の球体にして中に使途を入れた形状にしました^^;

五色雲は、ぼわっと光ってるっぽいように作りました。(これが結構ムズかったw)

 

正面から見たときに、なるべく全ての持物が見えるように

持物の向き・角度、腕の位置・角度微調整したりで

配置にかなり苦労しました。

施無畏印は大抵は下側の後方にあるのですが

正面では殆ど見えなくなったので前方に持ってきています。汗

 


極私的感想

千手観音は、合掌以外の手1つで、25の世界を救うってことらしいので

もうこれは如来を超えた最高位でいいんじゃね?と思っちゃいました^^;

如来は、観音菩薩よりも上位なので、これよりも上なんだ。。。とも思いましたが)

 

腕が42本しかないのは。。。当時の絵師・造形師が

「この体に千本なんか作れないってばっ!」って悲鳴あげて

「これ以上無理っすw」って泣きついた腕の数じゃね?と思ったのは内緒^^;

思うに、25世界って設定があったから

「よし、じゃあ1000÷25=40で、40本にしときましょw」

と暗躍したのでは?と勘ぐってしまったりも^^;

 

まるでスイスのアーミーナイフのようにマルチな腕ってことやね?w

いずれにせよ、42本の手なのに千手というのはねぇ~。。。いかがなものか。汗

いくら1000の世界を救うといっても、あくまで手は42本なワケなので

「千本も手無いやんっ!www」って突っ込まれて当然だと思いますw

あ、あれかな? 1000の手法っていう意味の手なのかな?

 

おそらくは、十一面からの派生・進化版なので

超十一面観音でもよかったかも?w

 

 

とまぁ~さんざん酷評チックなことを書いてしまいましたが

私的に、千手観音は超好きな仏像だし、造形上でも頂点だと思うので

それが3DCGで描けた(まだまだトーシローやけど^^;)ことに我ながら感動しましたw

 

この勢いで、次回はほんとに腕が千本ある千手観音を描いてみようかな?

と思ったり、思わなかったり^^;

 

 

後編
ほんとに千本手があるのも作ってみたよっ!!
前回の公約?どおり、実際に千本腕があるバージョンを描いてみましたっ!! 真数千手観音(この絵(造形)の腕の数は合計で1044本あります!爆) 一般的な千手観音※*1に対し、実際に千本以上あるものを真数*2千手観音と呼びます。 (厳密には、真数十一面千手千眼観世音菩薩といいます) 手が100本以上あっても、1000…

*1:【じゅういちめんせんじゅせんげん】

*2:【れんげおう】

*3:阿修羅や四天王など

*4:【けんぞく】従者。いわば家来のような存在

*5:【じゅういちめんよんじゅうにひ】真面1つに10の小面、42本の腕

*6:【しんしゅ】本来の手(第一手)

*7:【う】迷いの境界

*8:【さんがい】衆生が流転輪廻する生死の世界(欲界・色界・無色界)

*9:【よくかい】

*10:【しあくしゅ】

*11:【じごく】生前の行いが悪い者が行く、あらゆる苦しみを受け続ける世界

*12:【がき】欲深い者が行く、常に飢えと渇きに苦しみ続ける世界

*13:【ちくしょう】知性がなく本能のみで、強者に襲われる不安に常におびえる世界

*14:【しゅら】醜い争いをした者が行く、苦しみや怒りの絶えない世界

*15:【ししゅう】須弥山(しゅみせん:仏教世界の中心にある山)の四方にあると考えられている大陸

*16:【うたんのつ】

*17:【えんぶだい】

*18:【くだに】

*19:【ほつばだい】

*20:【ろくよくてん】天上界にありながら、いまだに欲望に捉われる人間界に近い下部の6つの天界

*21:【たけじざいてん】欲界の最高位。第6天
(他の欲望を自在に受けて楽しむことができる所)

*22:【けらくてん】第5天
(ここに住む者は、自ら妙楽の境地をつくり出して楽しみ、八千歳の寿命を保つといわれる)

*23:【とそつてん】第4天(須弥山の頂上)

*24:【やまてん】第3天
(時に随って快楽を受ける世界)

*25:【とうりてん】第2天(須弥山の頂上、帝釈天【たいしゃくてん】のいる所)

*26:【しだいおうしゅてん】第1天(四天王の住む所)

*27:【しきかい】無色界の下にある世界。

欲界のように欲や煩悩はないが、無色界ほど物質や肉体の束縛から脱却していない世界

*28:【しぜんてん】(初禅天・第二禅天・第三禅天・第四禅天)

*29:【むそうてん】最高の安らぎの世界

*30:【じょうこてん】欲を離れた清浄な諸天がいる所

*31:【だいぼんてん】初禅天の第三。梵衆天【ぼんしゅうてん】・梵輔天【ぼんほてん】を従える天。また、その主。仏法の守護神。

*32:【むしきかい】天部の最高部

*33:【しくう】

*34:【くうむへんじょてん】第1天
(物質的存在がまったく無く、心が虚空。宇宙大の広さ)

*35:【しきむへんじょてん】第2天
(識(意識、生命力、心、洞察力)に限りが無く広大)

*36:【むしょうしょうてん】第3天
(何物も無し、識が消滅する状態)

*37:【ひそうひひそうてん】第4天。無色界の最高の天
(識が無くなった次の段階。想を無くし、煩悩が消えたような状態)

*38:【ほうけん】煩悩を斬り祓い、魔を切り裂く

*39:【えっぷ】怨敵をくじき、鎮める。官難を除き平和をもたらす

*40:【すいびょう】穢れを消す甘露水【かんろすい】が入っている

*41:【ぶどう】五穀豊穣

*42:【ようりゅう】病難を取り除く

*43:【ほうたく】音声(美声)を得る

*44:【ほうきょう】仏の教えを得る

*45:【ほういん】弁舌にすぐれる

*46:【さんこしょう】一切の天魔、外道を抑制する

*47:【にょいほうじゅ】意のままに願いを叶える宝の珠

*48:【ほうせん】よき友人を得る

*49:【せむいいん】恐れを払う

(持物を何も持たない手)

*50:【じゅず】仏手をこうむる

*51:【ほうきょう】広大な智慧を得る

*52:【しょうれんげ】十方の浄土に生まれ変わる

*53:【しゃくじょう】魔除け。人々に来訪を知らせ、慈愛し、守護する

*54:【しれんげ】十方浄土の諸仏を見る

*55:【げっしょうまに】熱や毒の病をいやす

(中に居るのは、玉兎【ぎょくと(月に住む架空のウサギで、薬草を砕いて仙薬をつくっている)】)

*56:【にっしょうまに】闇を照らす

(中に居るのは、八咫烏【やたがらす’(太陽の化身である三本足のカラス)】)

*57:【けぶつ】成仏を確約する(阿弥陀如来

(左右で対になっていますが、1体のみを両手で持ち上げているパターンもあるようです)

*58:【ほうはつ】腹病を治す

(千手観音はこの中に食べ物を呼び寄せることが出来る)

*59:【ごしきうん】仏の智慧を象徴する五色の雲。不老長寿・仙人道をうる

*60:【ぐれんげ】諸天(多くの天上界)に生ずる

*61:【さんさげき】外の敵を避け、追い払う

*62:【びゃくれんげ】功徳を得る

*63:【ぼんきょう】経典の入った箱。冥福を得る

*64:【くうでん】仏が生まれるところ

*65:【とっこしょ】怨敵をくじき、鎮める

*66:【ほうりん】煩悩を打ち砕く。悟りを求める心を得る

*67:【ほうきゅう】栄官を増す。良縁を得る。出世をかなえる

*68:【ほうせん】よき従者を得る

*69:【けんさく】苦しむ衆生をもれなく救う、大いなる慈悲。

*70:【ほうこう】煩悩を打ち破る

*71:【どくろ】一切の悪を降伏させる。鬼神を意のままに操る

*72:【こへい】和睦

*73:【ぼうはい】魔を追い払う盾

*74:【ほっす】煩悩や災いを払う

*75:【ほうら(ホラ貝)】天神、善神を呼び寄せる