三十三観音を描いていく ④
三十三観音作成第4弾。10~12番目。
⑩ 魚籃観音
魚籃と漢字で書くといまいちわかりにくいですが
「びく」と聞けば、「ああ。釣り人が釣った魚を入れてるカゴのことだね!」と納得。
ただし、観音名は「びく観音」ではなく「ぎょらん観音」です。ややこしいっw
魚が入った魚籠(「びく」というよりは、買い物カゴのような形状ですが。。。)を手に持つ姿。
あるいは巨大な魚(鯉)に乗った姿とされています。
ご利益:大漁祈願・海上安全・除毒・魚供養
(除毒のご利益もあることから、ふぐの料理人からの信仰があついそうです)
仏教由来ではなく、中国の民間伝承による観音菩薩とされています。
そのあまりの美しさに求婚者が大勢いたそうです。
美女は「経本や経典を諳(そら)んじることが出来た者のところに嫁ごう」と言い
『普門品』『金剛経』『法華経』の暗唱を条件に対し、唯一暗唱できた男と結婚した。
ところが、婚礼翌日に美女は亡くなり、遺体も消えてしまった。
後に残っていたのは、黄金の観音像だったということです。
私的には、モヤモヤだけが残る後味の悪い話だなぁ~。。。と思います。汗
三十三観音の大半は立体仏としてはあまり見かけないのですが
魚籃観音は意外にも?立体像としても見かける機会が多い観音さまです。
大漁祈願もあってか、海に近い寺社に祀られていることが多く
美女の伝承からもわかるように、この観音は女性形であるとされているので
尼寺などに祀られることも多いようです。
(そのわりには、胸に膨らみが無いんだよねぇ。。。ほんと日本の仏教って。。。以下略)
。。。というか、はじめて魚籃観音を見たとき、真っ先に思ったのは。。。
「籠に魚???おもっくそ殺生なんじゃね???」とね。
仏教では「殺生はいけない」というのが基礎中の基礎じゃないの???
「むやみに生物の命を奪ってはいけない」 という意味合いがあるとも云われてますが
「ちょw籠持ってるあんたがソレいう?w」とツッコミたくなるのやがw暴言すませんw
⑪ 徳王観音
梵天の菩薩形とも云われている。
ご利益:出世栄達
絵図くらいでしかなく、立体仏はおろか、絵画もほとんど見かけることがない。
※柳や緑葉を持つ姿で描かれることもあるそうですが、本来は菩提樹の葉。
⑫ 水月観音
形像にこれといった決まりは無く、代表的なのは
水に浮かぶ蓮に立ち、上空の月あるいは水面に映る月を眺めているとされています。
ただし、立体像の場合
上空あるいは水面の月を表現しにくいので
月にもたれ掛かるような立ち姿や
ブランコのように吊り上げた月に座る姿などで造形されることがあるようです。
ご利益:清浄・縁切り・良縁
実際に描いて(作って)みて
スタイリッシュないでたちで魅力的だと思うと同時に
実像として造形した場合、倒れてしまうんじゃないかな?と感じました。
重心のバランスが非常にとりにくいと思うので、左足だけを重く作り
鉄心を仕込むなどしないと自立しないかと思われます。
いくら3D画とはいえあまりにもコケそうに見えたので
水の波紋のような土台を付け足して補強してみました^^;
水月観音については、さまざまな作例があるようです。
ただし、国内ではある意味工芸品としてチラホラあるものの
寺社で祀られていることはあまり無いかと思います。