みむメモ

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真紅の明王!!

今回描いた明王は、不動明王とならぶほどメジャーな仏様です。

 

愛染明王

愛染*1明王

 

愛染とは、愛着とか愛に執着するという意味があり

梵名は「ラーガ・ラージャ」、直訳すると愛欲の王という意味になります。

大日如来の化身であるとされています。

 

明王ならではの憤怒相をしているので想像しにくいのですが

ローマ神話のキューピッドギリシャ神話でいうエロス)とルーツは同じとも云われ

ざっくり言ってしまえば、仏教界のキューピッドってことになります^^;

(キューピッドのように? 愛染明王も、必ず弓矢を持っています!)

 

愛欲の王といわれるだけあり、愛欲まみれでもオールOK!!という

なんとも懐の深い明王さまなのです^^

もう少し詳しくいうと、煩悩の1つである愛欲貪染*2

そのほか欲望・執着までをも悟りに変え、悟りの境地まで導いてくれる明王

つまりは、軍荼利明王と同じように、煩悩即菩提*3という考え方です。

 

 

ご利益:良縁・恋愛成就・結婚成就・夫婦円満・無病息災・延命・戦勝

キューピッドから察しがつくと思いますが、恋愛成就にはかなりの効力があるそう!

そのほか、愛染という名称からか染物屋・水商売守護のご利益もあるそうです。

像容の特徴

愛染明王を祀る寺院は結構あるのですが、堂内に秘仏的に祀られてる場合がほとんどで

不動明王のように堂内以外でも見かけるということはあまりないかも知れません。

故に、メジャー仏ながら像容としての認知度は低いかもですね。

炎髪一面三目六臂

 

獅子冠*4

 

五鈷鉤*5
紅蓮華座*6

 

日輪形光背*7

三目六臂であることも特徴ですが、一番の特徴は真紅の肌であることです!

不動明王など一般的?な明王は、青または黒色の肌とされていますが

愛染明王に限り、真紅または赤光*8の肌とされています。

不動明王は青銅製(緑色)や石仏(白や灰色)なども見受けられますが

こと愛染明王に関しては、青銅製や石仏は無いので(たぶん^^;)真紅一択に思います。

頭には獅子冠をかぶっています。

これは、明王の憤怒相と獅子の咆哮で諸々の煩悩を降伏し衆生を救うことを表しています。

獅子の頭上にある突起は五鈷鉤と呼ばれるもので

五智を呼び覚まして衆生を正しく導くことを表しています。

 

愛染明王は、紅蓮華座という専用の蓮台に坐しています。愛染明王に立像はありません

その名が示す通り、こんもりとした花弁は金色ではなく朱色または赤光色をしており

通常の蓮華座と違い、宝瓶(賢瓶)*9の上に紅蓮華が乗っています。

宝瓶には無限の宝が入っており

下のぐるりにあるポチポチは瓶からあふれでた宝珠を表しています。

また、火炎光背ではなく日輪(燃え盛る日輪)を模った光背であるのも特徴です。

 

持物

五鈷杵*10

 

五鈷鈴*11

 

宝箭*12

 

宝弓*13

 

未開敷蓮華*14

真手*15に、五鈷杵と五鈷鈴を持ち

第二手には弓矢を持つ。

本来、明王系の持つ弓矢は邪心を抱くものをも仏道へ導く役割を持つのですが

愛染明王に関しては、人と人、心と心を結びつける役割を持つそうです。

(キューピッドの弓矢とほぼ同じ意味合いですね)

矢尻は、破魔矢*16のように二股に分かれていますが

魔を打ち破るというよりは、縁の結び付けの意味合いが強いので、破魔矢とは別の矢なのかもしれないですね。

第三手右手に未開敷蓮華を持ち、左手は何も持っておらず拳を握っています。

この拳を剛拳*17(印ではない)といい、祈願者に応じて持つ物を変えるとされています。

 


極私的解釈

仏教界のキューピッドとか、恋愛運の運気UPに長けている!

などで取り上げられることが多い愛染明王ですが

意中の相手を自分のものにする。という意味合いではなく

相手を振り向かせるために自分を高みに上げることが本筋だろうと思います。

なんかね、スピリチュアル系でも愛染明王がピックUPされてたりもするんだけどね

愛染明王の力で意中の彼氏をGET!みたいな紹介してるものは危ないなぁ~と。

私的には、それは祈願ではなくて呪いでしかないように感じるんですよ。

愛染明王の力を借りれば、相手を独占できると誤認されてるように思うワケ)

自分磨きへの手助けをしてくださるのが愛染明王だと自分は思います。

 

まぁ、愛欲まみれでもOKとか、欲が絡んでても助けてくださるっていうのは

自分のような凡人にはありがたいことこの上ないんだけどねw

。。。ただ、それらの欲も、本筋(たとえば周りも幸せにするとか) につながっていれば

OKですよ!ってことかな。と解釈しました。

煩悩即菩提とまでは言えないだろうだけど

そういうことを説いているのが愛染明王なのかな?と思いました。

 


 

ちょいと脱線しますが

愛染明王大日如来の化身と云われてるんだけども

大日如来の化身である明王不動明王じゃないのん???。。。どっちやねんっ!

仏教って、相変わらず難解(というか何でもあり?w)だなと思いましたwww

 

と、思ってたら。。。

なんと、愛染明王不動明王の合体仏なるものもあるようです!!!

両頭愛染明王

両頭*18愛染明王

 

二面八臂

愛染明王をベースに

不動明王がくっついた異形仏。

持物は、各々の明王のものですね。

秘仏とされることがほとんどなので、実物を見る機会は殆どないかも知れません。

二面八臂、または愛染明王の第三手(蓮華持ちと金剛拳の腕)を省いた二面六臂で

愛染明王の朱色と不動明王の青(実物はもっと真っ青なのが多いです)が際立つ

かなりビビットなカラーリングです。

 

この両頭愛染明王に限らず、天に向かって矢を射るポーズを取る愛染明王もあり

それを天弓*19愛染明王と呼ぶそうで

「衆星の光を射るが如し*20というのを具現化した姿だそうです。 

 

*1:【あいぜん】

*2:【あいよくとんぜん】人間がもっている愛欲をむさぼる心

*3:【ぼんのうそくぼだい】煩悩がやがて悟りの縁となる

*4:【ししかん】

*5:【ごここう】五智をあらわし、悟りへの決意の固さを示す

*6:【ぐれんげざ】

*7:【にちりんぎょうこうはい】

*8:【しゃっこう】

*9:【ほうひん(けんびょう)】財宝や秘薬が入った福徳を与える壺

*10:【ごこしょう】煩悩という敵を打ち負かす

*11:【ごこれい】霊力を宿す鈴で、その音色で諸尊を驚覚し歓喜させる

(金剛杵と一緒に使うと、相乗効果で更に力を発揮する)

*12:【ほうせん】よき友人を得る

*13:【ほうきゅう】良縁を得る

*14:【みかいふれんげ】ハスのつぼみ(愛染明王の場合は、白ではなく紅蓮華)

*15:【しんしゅ】第一手(本来の腕)

*16:【はまや】神社などで授与されるお守り

*17:【こんごうけん】

*18:【りょうず】

*19:【てんきゅう】

*20:天に輝く多くの星を射るほどに