奇抜なファッションユニット? 不動三尊
菩薩系の次は、明王系を描いてみることにしました。
明王の代表格といえば、これでしょう!
不動三尊
中尊*1に不動明王、脇侍*2に制多迦童子*3(右)・矜羯羅童子*4(左)の二童子を配する。
脇侍は、童子ではなく菩薩や天の場合もありますが、不動明王の三尊形式ではこの配置が最も有名です。
不動明王
大日如来が、邪悪な者に対し、憤怒形相に変化した化身であると云われています。
(煩悩まみれの者を、間違った道に進まないよう力づくでも救おうとする慈悲深い仏でもあります)
肌の色は青で、髪の毛は紅蓮の巻き毛
(あまり真っ青すぎるのは違和感があるので、ここではほぼ黒に近づけています^^;)
左に束ねた髪を垂らしており、この部分を弁髪*7というそうです。
また、頭頂部には蓮の花が開花しているという何とも奇抜なヘアースタイルですw
単色の像などは遠目で見たとき、知らない方からすれば
「片目取れてる?」とか「ウインク?w」と間違うことがあるらしい^^;のですが
これは不動明王特有の表情で、右目は上、左目は下を見ている天地眼*8といわれるものです。
本来は像容を重視したいので、私的には、あまり光背を描かないのですが
こと不動明王に関しては、火炎光背が代表的な特徴でもあるので
今回は火炎光背も作りました^^
迦楼羅とは、毒を食らう伝説上の鳥(天(神))で
その炎は毒(煩悩・欲望)を焼き尽くすとされています。
(これに基づき、火炎光背には、よく見ると鳥の顔のように見える部分があります)
持物は、右手に宝剣(利剣)*11、左手に羂索*12を持ちます。
ご利益は現世利益で、「 煩悩を払い間違いを正す」というもの
(具体的には、健康祈願・病気平癒・商売繁盛・学業成就・立身出世など)
制多迦童子
右側にいる脇侍で、不動明王の怒りを表しているとされています。
肌は紅蓮の朱色をしており、頭髪は五髻*14。
持物は、右手に金剛棒*15、左手に金剛杵(三鈷杵)*16を持つ。
制多迦童子で最も有名な造形を模写しましたが
五髻ではなく、カーリーヘアーのものや坊主頭などの造形もあり
言い方は悪いのですが
もっと小憎らしい表情で、金剛棒に頬杖ついてるものなど
不快になるような挑発的ポーズをとっている童子像もありますw
「奴隷、従者」また「性悪」などの意味があるので憎らしい表情はある意味正解かもですね^^;
童子単体でのご利益は不明ですが、「断ち切り系」の効果がありそうですね。
矜羯羅童子
左側にいる脇侍で、不動明王の慈悲を表しているとされています。
肌の色は、白もしくは肌色、ちょいと小太りで、髪の毛は天然パーマかな?w
(制多迦が奇抜すぎたので普通に見えるねwww)
腰巻?を横で結んでいるのもなにげに特徴かと。
こちらも有名どころを模写しましたが
憂いを帯びたもっと愛らしい造形のもあります。
(愛らしい系で作ろうかとも思ったんだけど、制多迦との対比を考え、こちらにしました。汗)
髪型は、宝髻*18・ストレートロン毛・坊主など
バリエーションも多いようです。
また、合掌のみで持物を持たないものや
合掌せず蓮華を持っているバージョンなどもあります。
「何をすべきかを問い、それに従う」という意味合いだそうです。
こちらも単体でのご利益は不明ですが、「慈愛系」の効果でしょうね。
その他
明王全てがそうではないかもですが、「不動明王は大日如来の化身」と云われるように
大抵の明王は、なにがしかの如来の化身であることが多いそうです。
この理屈でいくと如来≒明王になるので、本来明王部はカウントされないかもですね。
不動明王に限らず、三尊形式で配される場合
脇侍は中尊の二面性(不動明王の場合は、怒りと慈悲)を意味することが多いです。
あと、不動明王に仕える童子は全部で8人もいますw(制多迦と矜羯羅は、そのうちの2人)
残りの6人も多彩で、龍に乗った者や、いやあんたは年寄りっしょ?wみたいな者
どう見ても明王でしょwっていうような者までいますwww
極私的思考
毎度おなじみ?わたくしめの暴言(妄言・迷言ともいうw)コーナーです💦
不動明王の「不動」ってなに??動かないってこと??と思って調べたら
まさにそのとおりで「動かない守護者」という意味なのだそうですw
もっとひどい言い方すれば「何の役にも立たない」って感じてしまうんやが。
「お前も動けやっ!」って思ってしまうのは、自分が性悪だからか?汗
仏像として見ると、神々しさもあるのだけれど。。。
現代に実際あらわれたとしたら、かなり奇抜な3人ですわなw
超々暴言を書きますが。。。想像してみてwww
柔和な顔してるけど、じーっと見てるだけで動かん太っちょ。
その後ろに突っ立つ武器持ちの大男はさらに異質で
全身真っ青で、赤毛のパンチパーマ
目の焦点はあっておらす、左右で違うところを向いており、ラリってます状態?w
しかも頭のてっぺんに花を咲かせてる。。。
こんなのが目の前に現れたら、めっちゃ怖いっwww(別の意味で怖いwww)
言うことを聞く聞かない以前に、怖すぎて動けないっw金縛り状態だっww
まさに不動!! 対峙したこっちが不動になるわっwww
。。。と、地獄行き確定な暴言を吐いちまいましたが
太古といってもいい当時に、このデザイン(造形)を考えた人って
実は相当な先見の明の持ち主だったのかも知れないですね^^;
*1:【ちゅうそん】中央に位置し、信仰の中心となる仏
*2:【わきじ(きょうじ)】中尊の左右に控える補佐
*3:【せいたかどうじ】
*4:【こんがらどうじ】
*5:【かえんこうはい】
*6:【かいれん】
*7:【べんぱつ】
*8:【てんちがん】常に見ており見逃さないという意味合いがある
*9:【かるらえん】
*10:【いわざ】
*11:【ほうけん(りけん)】煩悩を斬り祓い、魔を切り裂く
*13:【くりから】
*14:【ごけい】髪を束ねて5つに配し、五智五仏を表したもの
*15:【こんごうぼう】修験者などが持つ杖(仏敵を打ち据える棒)
*16:【こんごうしょう(さんこしょう)】一切の天魔、外道を抑制する
*17:【とっこしょ】怨敵をくじき、鎮める
*18:【ほうはつ】菩薩の髪型