胎蔵界も、智なのか???
二体の大日如来
一般的に、大日如来とだけ唄っている場合は、 智拳印を結んだ金剛界大日如来が多く
二尊安置の場合は、左に金剛界・右に胎蔵界の大日如来を祀るようです。
(曼荼羅においても、金剛界は左・胎蔵界は右に配置する決まりがあるそうです)
あと、極めて稀に胎蔵界大日如来を中心とした五智如来もあるそうで
せっかくなんで、胎蔵界バージョン???の五智如来も描いてみました。
胎蔵界は理法身なので「智じゃないんじゃ?」と思うんですよね^^;
ちなみに、十字(見た目を考えX字にしてますが。汗) 配置の場合
東に座し、発心*6:悟りを開こうとする心を起こすことを表しています。
右手の「こちらでございまぁ~す」のようなポーズは与願印*7らしいです。
(本来、与願印は手を下に垂らしたを印相だと思うんだけど。。。謎)
曼荼羅中の絵で見ることはあっても、独尊はもとより像としてもほとんど見ないと思います。
南に座し、修行*10:悟りへ向かって努力を積むことを表しています。
手は上げているものの、掌は下を向いているので少し疑問が残ります。
(ぶっちゃけ、与願印と施無畏印の形の明確な定義がいまいちわかりません。汗)
こちらも曼荼羅中の絵でしか見ることがないかも。
宝生如来と同一とされています。
西に座し、菩提*14:悟りの実感を得ることを表しています。
無量寿と唄うことは少ないかもですが、阿弥陀如来像はポピュラーですね^^
天鼓雷音如来*17 「天鼓*18が響かせる雷鳴のような音」という意味。
北に座し、涅槃*19:悟りが完成することを表しています。
右手で触地印*20を結んでいます。
「涅槃」というワードからして釈迦如来と同一というのもしっくりきますね^^;
中央に座し、大いなる慈悲を表しています。
金剛界の智拳印とは違い、両手で定印を結んでいます。
上の胎蔵界五仏を五智如来として祀っている寺院もあるようなのですが
胎蔵界は智ではなく、理を表したものであるから
私的には、胎蔵界の五如来は、五智如来とは言わない(言えない)んじゃないか?
という疑問が残ってるからです。
五智、各如来の智の説明
↓
智とは「物事の道理を知り、正しい判断をする能力」(悟りに向かう状態)
智法身*22とは「金剛杵*23が如く、煩悩を粉砕する力を中心として広がる世界。」
理とは「ことわり・物事の筋道・道理」(具体的な現象を起こさせている普遍的な根本の原理)
理法身*24とは「母胎に宿る形質。仏性*25を中心として広がる世界。」
ん~。。。まぁ~
発心・修行・菩提・涅槃も、悟りに向かう状態(悟りが完成した状態)ともとれるので
智と言えるのかも?
でもなぁ~。。。なんかモヤモヤする。
金剛界曼荼羅は智を表したもの、胎蔵界曼荼羅は理を表したものであり
表裏一体。片方だけではなく、ふたつでひとつ。
光と影(陰陽)、男性的・女性的、垂直と水平・・・
相反するように見えるけど
共にあってこそ成り立つ世界という表現をしているそうです。
相反するもので、パっと浮かんだのは
緊張と緩和。緊張だけだと萎縮してしまうし、緩和だけだと怠惰になりがち。
厳格と寛容。厳格すぎると威圧的になるし、寛容すぎるとなめられる。
自分の勝手な解釈では
両面(多面)を持ち、各々をバランスよくさせることが大事である。と受け取りました。
まぁ~。。。がんじがらめに考えすぎず
頭がパンクしない程度に、心がけようと思います^^
そうじゃねーだろっwねじ曲げてるやんっwって突っ込まれそうやけど
他者からみて、バランスがおかしく見えたとしても
決して堕落ということではなく
自分で心地いいバランスを保つことが大切だ!とも思います^^;
横並びバージョンもUPしときますw(こっちのほうが比較しやすいかも?)
大日如来を真ん中に、ほかの4如来は東南西北順に並べてみました。(上:金剛界、下:胎蔵界)
おまけ
単色バージョン こっちのほうが重厚感あるよね?^^;
*1:【こんごうかい】
*2:【たいぞうかい】
*3:【じょういん】左手の上に右手を重ね、両手の親指の先を合わせて他の指は伸ばす最もポピュラーな瞑想の印
*4:【あしゅくにょらい】
*6:【ほっしん】
*7:【よがんいん】相手の願いを聞き届けようという意味を持つ
*8:【ほうしょうにょらい】
*9:【かいふけおうにょらい】
*10:【しゅぎょう】
*11:【せむいいん】相手の恐れをなくし安心させる意味を持つ
*12:【あみだにょらい】
*13:【むりょうじゅにょらい】
*14:【ぼだい】
*15:【あみだじょういん】瞑想の印
*16:【ふくうじょうじゅにょらい】
*17:【てんくらいおんにょらい】
*18:【てんこ】天上界で鳴るというつづみ。(雷鳴)
*19:【ねはん】
*20:【そくちいん】地面を指先で触れるような印相
*21:【だいにちにょらい】
*22:【ちほっしん】
*23:【こんごうしょ】煩悩を打ち払う武器(法具)
*24:【りほっしん】
*25:【ぶっしょう】衆生が持つ仏としての本質、仏になるための原因
*26:【りょうかいまんだら】