五智如来
お寺に行ったとき、6体並んだ地蔵ではなく
大仏のような仏像(よく見るのは石仏が多いかな)が5体並んでるのを見たことがないですか?
特にカラーリングする予定ではなかったのですが
全て同色だといまいちわかりにくかったので、衣と蓮台花弁で色分けしてみました^^;
梵字や平面絵図で表現される場合は
大日如来を中心に、上下左右に4如来を配置する決まりがあるそうです。
立体で表現する場合、各如来像の配置は
横一列や、ひな壇形式だったりと寺院によって様々ですが
大日如来は必ず中心に座しています。
どの配置でも、大抵は5仏とも参拝者側から見て正面を向いているのだけど
各如来には方位*3があるので、各々の方位を向いている配置も稀にあるそうです。
古代中国の五行思想*5の方角色・仏教発祥の地であるインドの五大元素*6の方角色
どちらも、共に東=青・西=白・中央=黄・南=赤・北=黒となっていたので
この配色でいいだろうと思ってたのですが。。。
曼荼羅発祥の地であるチベットでは、東=青・西=赤・中央=白・南=黄・北=緑
となってたので
。。。って、チベットでも カーラチャクラ曼荼羅*7(別名:時輪曼荼羅*8)だと
最初に色付けした五行配色と同じ方位カラーだったという。苦笑
五智 各如来の説明
当初単色で作ってたので、如来の顔も微妙に変えていますw
(せっかくなんで五行色(左画像)、曼荼羅色(右画像)両方UPしときます。^^;)
阿閦如来
阿閦如来*9 。。。って、五行でも曼荼羅でも方位色は青でしたな^^;
ありのままをあるがままに写す清らかで大きな鏡のような観察力を持ち
あらゆるものを正しく見極める。
右手で触地印*11(降魔印*12)を結び、左手は衣の端を掴んでいる。
衣の様式に決まりはないですが、今回は袒右肩*13にしました。
独尊で見かけることはほとんどありませんが
一説には薬師如来と同一であるとも云われています。
宝生如来
全ての現象や事柄には必ず価値があり、分け隔てなく平等に見る。
衣は偏袒右肩*17にしてみました。
こちらも独尊では見かけない如来かと。
阿弥陀如来
あらゆる事象を正しく見極め、追及する。
(胸がはだけているので双肩下垂*22ともいうそうです)
過去記事にも書きましたが日本では最も知名度が高い如来ですね^^
不空成就如来
北の方角に座す仏様で、不空とは「空ではなく満たされている」という意味。
何事にもとらわれることなく自他の成すべきことを成し遂げる。
こちらは大衣を纏った通肩にしてみました。
釈迦如来と同一であるとも云われています。
大日如来
命あるもの全てを生み出した存在なので中央に座しています。
物事の本質を明らかにする。(東西南北の四つの智慧が合わさったもの)
大日如来といえば、コレ!
智拳印*28を結んでいます。(ただし、胎蔵界では印相が違います)
上半身に条帛*29を掛け、冠などの装飾品を身につけています。
ちなみに「智」とは、知性のことではなく、悟りに向かう状態を意味するそうです。
あくまで個人的な解釈ですが、仕事や生活に例えるとしたら
私的解釈では、
- 現状を見る(大円鏡智)
- 様子を見、意見を聞く(平等性智)
- 正しい道を選ぶ(妙観察智)
- 解決するために動く(成所作智)
- それが全て出来る状態(法界体性智)
かな?と思います。
たしかに素晴らしい智だと思います。。。ただただ感服いたします。。。
。。。が。。。実際の自分だと
- 色眼鏡で見てしまうことがある(屈折鏡)
- 現象や事柄には意味がある。とは思うけど、平等には見れない(不公平性)
- 木を見て森を見ず。どころか、葉を見て木を見ずw(微観察)
- ほんとはこうしたい。と思っててもためらう(惑所作)
- 違うんだよなぁ~。。。とモヤモヤするw(個体性)
ってな感じで雑念と煩悩だらけですわっwwww(自他共に認める あまのじゃく だしのぉ。笑)
でも、それが自分だし、それでもいいんじゃね?
と自身を認めてたりもします^^;
開きなおりと言えるかもやが
煩悩が無きゃ人じゃないっ!!(雑念は少ないほうがいいけど)と思うし
人って、誰かに迷惑かけなきゃ生きれないハズ!
煩悩に悦び、いっぱい迷惑かけたらいい。(ただし、犯罪はあきまへんでw)
だって、人間だもの!神様でも仏様でもないんだから。
相手の煩悩の手助け(こうしてほしいんだろうな?みたいな)をしてあげるのもありだと思う
行き過ぎた煩悩には抑制してあげればいい。
迷惑かけた分、相手に感謝(時には謝罪)すればいい。いっぱいお返しすればいい。
五智如来を描いておきながら、全然違う思考になっちゃいましたわ。
(ま、信仰心というよりも、造形物として寺社に興味があるワケで^^;)
智は得れないけど、己を律するヒントは得れたような気がします。
*1:【ごちにょらい】
*2:【ちえ】
*3:東西南北と中心
*4:【ししん】東の青龍・西の白虎・南の朱雀・北の玄武(中央の五体目が描かれてるのは少ないですが中央は麒麟(黄龍)になります)
*5:【ごぎょうしそう】万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説
*6:【ごだいげんそ】世界は地・水・火・風・空の5種類の元素からなるという説
*8:【じりんまんだら】
*9:【あしゅくにょらい】
*10:【だいえんきょうち】
*11:【そくちいん】地面を指先で触れるような印相
*12:【ごうまいん】悪魔を降伏、退散させる(恐怖や誘惑に打ち勝つ)印
*13:【たんうけん】完全に右肩を露出した着装
*14:【ほうしょうにょらい】
*15:【びょうどうしょうち】
*16:【よがんいん】手を下げて手の平を前に向けた印相で、相手の願いを聞き届けようという意味を持つ
*17:【へんだんうけん】右肩は完全には露出せず、袈裟を覆い被せた着装
*18:【あみだにょらい】
*19:【みょうかんざっち】
*20:【あみだじょういん】
*21:【つうけん】両肩を覆った着装
*22:【そうけんかすい】
*23:【ふくうじょうじゅにょらい】
*24:【せいじょうさち】
*25:【せむいいん】手の掌を正面に向け胸の前に上げる印相で、相手の恐れをなくし安心させる意味を持つ
*26:【だいにちにょらい】
*27:【ほっかいたいしょうち】
*28:【ちけんいん】
*29:【じょうはく】左肩から右側の腰に、たすき状にかけた布(菩薩でよく使われる着付けかた)