みむメモ

みむメモ まぁ~なんとかなるさ♪

“みむメモ”とは、「まみむめも」からマを抜いた、要するにおマぬけ談です。。。気まぐれでブログってますw

(スマホは横向き画面のほうが見やすいかも^^;) ※ 記事本文内にある 枠付き画像 は、クリックで 特大サイズ が別タブ表示されます MENU

吉祥天と黒闇天 似てない双子

あけましておめでとうございます。

どの程度のかたがこのブログを読んでくださってるかわかりませんが

今年もマイペースで更新してきますので、よろしくお願いいたします^^

 

さて、年始一発目は縁起てきな意味も込めて吉祥天を描いてみました。

調べながら描いてたのですが、その中で

吉祥天と切っても切り離せない存在の天女がおられましたので

そちらも描くことにしました^^;

吉祥天と黒闇天

2天は姉妹で、姉の吉祥天のそばには必ず妹の黒闇天が寄り添っているそうです。

吉祥天*1  黒闇天*2

名前から察しはつくと思いますが、ざっくりと言うと

吉祥天は福の神、黒闇天は貧乏神のポジションになります。

正月早々、なんで貧乏神なんか載せるんだよ。福の神だけでいいじゃんか。

と言われそうですな^^;

この二天は一心同体とも云われ、表裏一体で、常に行動を共にしています。

故に、どちらか片方だけが抜けるということは無いそうです。

 


吉祥天

弁才天よりも吉祥天のほうが先に仏教に取り入れられたので

仏教では、こちらが先輩になります。

しばし、弁才天と混同されたり、同一視されることもありますが

本来は別の神様です。

吉祥天特有の絢爛豪華ないでたち

 

鳳凰形宝冠*3
膝あたりまである

煌びやかな瓔珞*4

 

もこもこした鰭袖*5

ヒレのついた蔽膝*6

衣自体も独特です。

如意宝珠*7

ゴージャスな装飾類を付けており

右手は与願印*8を結び、左手に如意宝珠を持つ。

細かな違いはあれ、吉祥天といえば大抵がこのような像容です。

テクスチャの勉強不足ゆえ、肌や衣を単色にしてますが

実際は透き通るような白い肌で、衣装も極彩色で美しい模様が施されています。

幸福・美・富を司る神。(吉祥とは、繁栄・幸運を意味する)

また、美女の代名詞と称されるほど美しい神と云われています。

ヒンドゥー教の女神ラクシュミー*9が起源。

 

極めて温厚で穏やかな性格であり

独特の衣は、中国・唐の貴婦人の衣装を模しているそうで

貴婦人のように豪華な宝飾類を身に着けています。

 

今でこそ、認知度の高い神様ですが

もともとは、庶民よりも貴族階級の人々に絶大なる信仰を集めていたので

一般庶民の信仰が多かった弁才天のほうがもてはやされるようになり

知名度が逆転したそうです。

 

ご利益:開運、財運隆昌*10、商売繁盛、家内安全、災難消除、五穀豊穣

 

母親は鬼子母神*11で、夫は毘沙門天*12

子供に善膩師*13童子がおり、夫婦と子の三躰で祀られることもあるそうです。

 


黒闇天

吉祥天の双子の妹であり、姉とは真逆の性質を持った天女。

醜悪な容姿で、災いをもたらす神とされていますが

胎蔵界曼荼羅*14では、ここに描いたような穏やかな容姿をしています。

姉の吉祥天と常に一緒にいる黒闇天ですが

国内では、文献として記載されているにとどまり

仏像はおろか、絵画すら見当たらないので、知名度はかなり低いです。

 

ヒンドゥー教のカーララートリ*16が起源とされており、そちらでは。。。

青黒い肌で、ざんばら髪の怖い形相をした確かに醜悪な容姿をしています。

(「黒闇天」で画像検索しても出てきます)

しかしながら、仏教でいう天部像としての姿でないはずです。

あくまでカーララートリーであって、仏教の黒闇天の姿ではないということ。)

 

唯一、胎蔵界曼荼羅内に黒闇天の姿があったので、それを参考に3D造形しました。

曼荼羅の一部にある絵なので後ろ姿は全くわかりません。

。。。ただ、普通の肌色をしており穏やかな表情なのはわかりました。

(小さく、鮮明な絵ではないので忠実には再現できてませんし、若干アレンジはしています)

描くにあたって、あえて美化したのではなく

醜悪な姿(国内仏としての)が見つからなかったので、この像容に至ったというワケです。

 

カーララートリーは、手が4本あり、剣のような武器を持って、ロバに乗っていますが

曼荼羅内の)黒闇天は、人と同じ二臂で、輪王座*17のような座り方をしています。

(あるいは遊戯座*18かも知れませんが。。。)

あと、左手に人面杖という奇妙な杖を持っています。

 

黒闇天にも夫がおり、夫はかの有名な閻魔さまです!!

といっても、よく知られている閻魔大王の姿ではなく、牛に乗った閻魔天の姿であり

曼荼羅内では、黒闇天と同様に普通の肌色で表情も普通です。

閻魔天も人面杖を所持し、そちらは三日月の上に女性の頭が乗ったこれまた奇妙な杖を持っています。

 

あくまで勝手な推察ですが、この人頭杖は今でいう形態電話のようなもので

通信手段というか補佐的役割を持っていたのではないか?と想像します。

 

黒闇天は、夜や闇、不幸と災いを司る神。

いわゆる貧乏神という立ち位置なので、ご利益など無い。と思われますが

危機や災いを知らせてくれる注意喚起

また、知らせを守ると運気が上昇するという効能があるそうです。

 

人頭杖

少し話が脱線しますが、黒闇天および閻魔天の持つ人頭杖については

どのような役割をしているかはよくわかりませんが

閻魔天の別の姿である閻魔大王も、この杖を持っており

そこでの人頭杖の役割は記されていました。

閻魔大王の人頭杖

 

男女の頭部が乗った杖。

 

まるで晒し首のような
おどろおどろしい見た目ですが
決して罪人の生首ではありません。

 

これは、閻魔天の主要眷属である天部
その二天が合体した「見る目嗅ぐ鼻」とも呼ばれる杖で
衆生の善悪の行いを監視しているそうです。

吉祥天と黒闇天の繋がり

福の神である吉祥天と、貧乏神である黒闇天が一緒にいるのはなぜか?

普通に考えれば、黒闇天は邪魔者でしかないように思います。

 

「いいことがあれば、悪いこともあるよ。どちらかだけというのは無いんだよ。」

(どちらも手放す。あるいはどちらも受け入れる。とも解釈できます)

ということだと思います。

 

実は、それこそが重要であって

美人で福の神の吉祥天は歓迎し、醜悪で貧乏神の黒闇天は追い返す。。。

これって人の世に通じるものがありませんか?

自分にとって都合の良いものは受け入れ、都合の悪いものは遠ざける。

人である限り、誰しもが多かれ少なかれそうするでしょうね。

 

都合の悪いものを避けるのは、あながち間違いでは無いし

僕自身は「生きていくための必須スキルだ」とも思っています。

ただし、極端すぎるのは良くない。そういうことだと思います。

 

都合の良いものだけ(言い方を変えれば好きなものだけ)を集め

都合の悪いもの(嫌なもの)をとことん排除するとどうなるか。。。

もっと良いものを。。。もっともっと。。。とエスカレートし

欲の底なし沼にはまり、最終的に虚しさだけが残る事になりかねません。

 

それに、自分にとって善であっても、他人にとっては悪という可能性もあります。

その逆もしかり。

黒闇天を否定せず、自他ともに「非道な闇の部分」があるのを認める。

 

煩悩・執着・偏見を捨て、偏ることなく進む。

これを、仏教用語で「中道*20」というそうです。

 

僕なりの解釈ですが

「両極端の考え方は避け、無理はせず、怠けることなく、あるがままに生きよ。」

ということかな。と。

って、偉そうなこと書いたけど、自分は実践できそうにないですがね(^^ゞ

 


吉祥天と弁才天のトンデモ説

前述にも書きましたが、吉祥天はしばしば弁才天と混同されたりします。

現に、大弁功徳天*21なる仏像もあるので尚更です。

何度もいいますが、本来は別の神様です。

 

吉祥天の夫は毘沙門天ですが、毘沙門天といえば七福神の一柱としても有名。

おなじく七福神の紅一点といえば。。。吉祥天ではなく弁才天です。

今でこそ、当たり前になってますが

もともとは弁才天ではなく吉祥天が七福神の一柱だったそうです!

このあたりも、両者が混同される原因の一つでしょうね。

 

簡単にいうと

後からきた弁才天が、吉祥天を追い出し、七福神の座を奪ったことになります。汗

所説ありますが、ここからの展開が凄まじく

毘沙門天と恋仲になり後釜に収まったという説があります!

露骨な言い方すると、不倫の末の略奪婚ですよ。爆

ちなみに、弁才天には他にも夫がおり、重婚してたりもします。

最初の夫は。。。天部の最高位である梵天です。

さらにさらに。。。梵天弁才天の父親でもあるのです!

。。。。。。親子(父と娘)が結婚?@@;

娘である弁才天があまりにも美しすぎるので結婚したそうな。激爆

なんちゅうドロドロ劇やっw 

 

弁才天武装スタイルもあるくらいアクティブで恋多き女性。

七福神イケメン枠の毘沙門天にアタックしたのもわからなくもないですがw

一説には、毘沙門天の気を引くために武器を捨て琵琶を弾いたとまで云われています。

いくら温厚な吉祥天とはいえ、これには激怒した!。。。と思いきや

あっさりと夫を譲ったそうな。。。(吉祥天も夫に飽きてたのか?^^;)

。。。ただ、恋多き弁才天なので他にもたくさんの夫を作ったそうで

大黒天*22を夫にしたという逸話まであります。

一方の吉祥天は、最終的に那羅延天*23の妻になったとされています。

 

。。。なんつんだろ、これ映画化したらHITしそうな気もするw

とまぁ、とんでもない逸話でしたが、現代日本ではあまり受け入れられず

吉祥天と毘沙門天弁才天梵天が夫婦という箇所のみ定説化されているようです。

 

今風に言えば

  • 弁才天は、性に奔放なバリバリのキャリアウーマン
  • 吉祥天は、あげまん気質で男を立てる内助の功
って感じでしょうかね^^;

 

実のところ、吉祥天・弁才天に限らず

こういう話は、神話に出てくる神ではありがちな内容だったりします。

世界神話だけに限ったものではなく、古事記などでもある話で

古事記のほうが、もっと卑猥だったりぶっ飛んだ内容のオンパレード状態ですw

 

今の日本人感覚でいえば、弁才天が悪女のようにも見え

非常に不謹慎な内容とも感じてしまいますが

古代日本では普通に「多夫多妻」「一夫多妻」だったし

重婚や兄弟姉妹婚など身内同士の結婚もあったので、変ではなかったかもですね。

 


その他(ダラダラ話w)

 

吉祥天はヒンドゥ教でいうところのラクシュミーなのですが

実はラクシュミーには、不幸を司る女神であるアラクシュミーという姉がいて

姉のアラクシュミーも配偶者とすることを条件にヴィシュヌと結婚した。という

姉妹逆とはいえ吉祥天と黒闇天の関係と少し似ている逸話があったりします。

(厳密にいえば、黒闇天はカーララートリーですがね^^;)

 

日本書紀にも、木花開耶姫*24と磐長姫*25が登場する酷似した話があり

こういった「選り好みするな!」というような教えは古くからあったようですね。

 

 

醜悪な姿といわれている黒闇天胎蔵界曼荼羅では普通の姿だし

強面形相の閻魔大王も、閻魔天と呼ばれるときは穏やかな面持ち。

ここで感じたのは、誰であっても表裏があって色んな顔をもってる。ってこと。

だからこそ面白いし、厄介でもあるんだな。と思いました。

 

閻魔大王の持つ人頭杖の補足。

地獄絵図での閻魔裁判だと、閻魔大王は笏*26や筆を持っているので

杖ではなく檀拏幢*27であったり、雲に乗った2つの頭だったりします。

また、2つに分かれた男女別々の燭台になっていたりもします。

ってか、「見る目嗅ぐ鼻」だったら目と鼻だけでいいんじゃ?w

と思ってたら、目と鼻だけの檀拏幢もあるそうですwww

いずれにせよ。浄玻璃鏡*28、業のはかり*29同様、閻魔裁判の必須アイテムとのこと。

ちなみに、「嘘をついたら閻魔さまに舌を抜かれる」という諺があるので

閻魔が、嘘をついた罪人の舌を鋏*30で抜くようなイメージを持ってしまい

舌抜き鋏も閻魔裁判の必須アイテムだと思いがちですが

閻魔大王は一切使いませんし、裁判中に舌を抜かれることもないので誤解なきようw

(舌抜き鋏は裁判のあと地獄に堕ちた亡者に対し、地獄の鬼が使う拷問具です)

 

 

 

弁才天と吉祥天の逸話。。。人間以上に人間してるなぁ~。。。と思いましたw

(不倫は決して推奨できるもんじゃないですが、今も多いですしね)

 

行動派の弁才天内助の功の吉祥天。。。どちらも捨て難い。

極私的には、吉祥天を選ぶかなぁ~。。。吉祥天も美人だしw(そこかいっwww)

。。。ただ、ひとつ言えるのは

男側もそれだけの器量と度量がないと、相手にされないでしょうな^^;

(言うまでもなく、僕にはどちらもありませんっw)

 

 

。。。というか、日本の神さま(世界神話の神も)って

よくいえば気ままで自由奔放、悪くいえば気まぐれで傍若無人な神が多すぎっw

人間臭さの超濃縮版、悪魔もビックリ!劇薬注意!!みたいな?

人間以上にワガママで私利私欲の塊みたいに思えてならないっす💦

 

 

活用する・しないは置いといて

古の教えを知識として持っておくのは大切である。

。。。と締めくくっておきます^^;

 

*1:【きっしょうてん】

*2:【こくあんてん】

*3:【ほうおうぎょうほうかん】その名の通り、上に鳳凰が乗った宝冠。孔雀宝冠ともいう

*4:【ようらく】胸飾り

*5:【ひれそで】

*6:【へいしつ】前掛け(今でいうとこのエプロン)

*7:【にょいほうじゅ】意のままに願いを叶える宝の珠

*8:【よがんいん】願いを聞き届けようという意味を持つ

*9:美と富と豊穣と幸運を司る女神

*10:金運・財運の向上

*11:【きしもじん(きしぼじん)】もともとは人間の子をさらって喰らう恐ろしい鬼女だったが、釈迦に諭され改心してからは、安産・子育の守り神となった

*12:【びしゃもんてん】

*13:【ぜんにし】

*14:【たいぞうかいまんだら】大日如来を中心に慈悲が放射状に広がる様子を、仏・菩薩・明王・天多数の諸尊の姿をかりて象徴的に表わしたもの

*15:【にんずじょう】

*16:破壊と殺戮を好む戦闘の女神で、カーラとは「黒」、ラートリーは「夜」を意味する

*17:【りんのうざ】煩悩を消す座法

*18:【ゆげざ】くつろいだ座り方

*19:【たいざんふくん】人の寿命・福禄を司る神で、人の運命を細かく記した禄命簿(ろくめいぼ)を持つといわれている

*20:【ちゅうどう】

*21:【だいべんくどくてん】弁才天と吉祥天の合体仏

*22:七福神の大黒というよりは破壊神でもある大自在天(シヴァあるいはマハーカーラ)

*23:【ならえんてん】ヴィシュヌ(維持神と云われる最高神の一柱)

自分だけが前にでることなく妻を尊重し大切にしたといわれている

*24:【このはなさくやひめ】美しい妹

*25:【いわながひめ】醜い姉

*26:【しゃく】もともとは文字を書きカンニングペーパーのような役割をしていたが、儀式の際の正装の一部となった木の板。

*27:【だんだどう】人頭杖の燭台バージョン

*28:【じょうはりのかがみ】死者の生前の行いを映す鏡

*29:罪の重さを測る天秤

*30:【やっとこ】