12の武神
東西南北を守る四天王とは別に、十二の方位を守る神がいます。
十二神将
薬師如来を護る神将で、正式には薬師十二神将または十二薬叉大将*2と呼ばれます。
薬師如来を守る神なので、神将のみで祀られることはないそうです。
各々が各干支に対応しており、十二の方角、十二の月また十二の時を守っています。
薬師如来専属?の神将であるから、あるいは菩薩より位の低い天部の神だからか
何故かはわかりませんが干支守り本尊とはならないっぽい。
十二神将の像容や持物に決まった定義はないそうで
ここでは、最も有名であろう新薬師寺の神将像を元に造形してみました^^
新薬師寺にはレーザー計測で伐折羅像の当時の色彩を再現したCGがあり
それを見る限りではド派手でごちゃごちゃした恐ろしくけばけばしい極彩色です💦
さすがにそこまで派手なカラーリングは出来ない(というかしたくないw)ので
炎髪色と明王色である青系の肌色、金具類?は金色にし
比較的落ち着いた色合いに彩色してみました^^;
毘羯羅
毘羯羅*5 梵名:ヴィカラーラ(ドゥルガー*6)直訳すると「近づきがたい恐るべき者」
招杜羅
招杜羅*10 梵名:チャトゥラ(直訳および何の神かは不明...)
真達羅
摩虎羅
摩虎羅*18 梵名:マホーラガ*19(マクラ)直訳すると「偉大なる蛇」
波夷羅
波夷羅*22 梵名:パジュラ 直訳すると「魔を打ち破る頑丈なもの」
因達羅
珊底羅
珊底羅*29 梵名:シャンディラ(直訳および何の神かは不明...)
頞儞羅
頞儞羅*32 梵名:アニラ*33(マジラ) 直訳すると「風」
安底羅
安底羅*36 梵名:アンディラ 直訳すると「力強い男」
迷企羅
伐折羅
宮毘羅
余談 その他もろもろ
天部には鎧をまとい武装した神がいます。
そのような尊像を神将像と呼び、十二神将のほか
四天王や韋駄天なども神将に位置づけされます。
神将とは、神の軍勢を統率する将軍。
十二神将の場合、各神将には7000名の部下がおり
総勢84000名の眷属を率いているとされています。
そんなに多くの軍は、いったい何と戦っているのか?というと
煩悩という敵と戦っているそうです。
煩悩の数は一般的には108あるといわれていますが、本当は84000(無数という意味合い)ある。
中でも、十二神将最強の神が伐折羅と云われ、神将中で最も認知度が高く有名です。
どうでもよいこと?wですが
真達羅(干支:寅)の持仏が宝珠と宝棒という像容。。。
私的には申のほうが似合うんじゃね?と思ったりも^^;
(なんつの?天界の果物である桃を盗んだ如意棒を持った孫悟空みたいに見えるんよねwww)
あと、摩虎羅。。。漢字に虎が入ってるのに干支は卯!
しかも梵名を直訳すれば「偉大なる蛇」だし!どないやねんっwって感じw
いまさらだけど、毘羯羅のように元は女神だったものを男性化したり
頞儞羅のご利益「男女和合」はいいけれど、転女得仏のような
このブログではあえて意味を柔らかめにぼかして書いたけど
下手すりゃ女性蔑視ともとれる思想はやっぱいい感じしない。。。
あと、因達羅のように帝釈天と同一とされるものがあるなど。。。
過去に何度もボヤいてきたけども、「仏教あるある」ですわなっwwww
ほんとどうでもいいこと(私的にはめちゃ感銘したのやがw)やけど
アニメNARUTOのサスケって
インドラの転生者で雷遁使い、しかも蛇を口寄せするなど。。。
もし作者が当初からそれを見越してこういう設定してたとすると凄い策士ですよね!
豆知識
伐折羅、宮毘羅…というように、各神将名の末尾に羅がついているのは
羅という漢字は方位をあらわしているからだそうです。(羅針盤からも想像しやすいかと^^)
一般的な方位磁石では、東西南北の4方位。
あるいは北東・南東・北西・南西を含めた8方位で刻まれていることが多く
北北東や東北東なども含めた12方位で刻まれてることはあまりないようです。
干支の振り分け方位でも8方位分けされることがあり
北=子・北東=丑寅・東=卯・南東=辰巳・南=午・南西=未申・西=酉・北西=戌亥で
怪談話で使われる「丑三つ時」というのは午前2時からの30分間のことです。
また「正午」というのは、午の刻がちょうどお昼12時をさすことからきています。
(滅多に使われませんが、午前0時は「正子*53」というそうです)
古暦では11月からスタートで子の月となるそうです。汗
*1:【じゅうにしんしょう】
*2:【じゅうにやくしゃだいしょう】
*3:光明普照・随意成弁・施無尽物・安立大乗・具戒清浄・諸根具足・除病安楽・転女得仏・安立正見・苦悩解脱・飽食安楽・美衣満足
*5:【びから】
*7:【こうみょうふしょう】自らの体から発する光明で照らし、世界中のあらゆる人を悟りに導く。
*8:【さんこしょ】一切の天魔、外道を抑制する
*9:【ほんじぶつ】神の本地である仏
*10:【しょうとら】
*11:【ずいいじょうべん】全ての人を明るく照らし、善行できるようにする。
*12:煩悩を斬り祓い、魔を切り裂く
*13:【しんだら】
(国内では阿修羅のいる八部衆の1つのほうが有名)
*15:【せむじんぶつ】智慧の救いのために、人々が必要とするものは、すべて施す。
*16:【ほうじゅ】願いを叶える宝の珠
*18:【まこら】
*19:ニシキヘビを神格化した音楽をつかさどる神
(八部衆の1つ畢婆迦羅【ひばから】と同一)
*20:【あんしんだいじょう】道を外れ邪道を行くものを正し、大乗仏教(生きとし生ける衆生全てを苦から救う)の教えに導く。
*21:怨敵をくじき、鎮める
*22:【はいら】
*23:【ぐかいしょうじょう】戒律を守れるように援ける。
*25:【いんだら】
*27:【しょこんぐそく】生まれつきの身体上の障害や苦痛、病気を無くす。
*28:【ほこ】外の敵を避け、追い払う
*29:【さんてら】
*30:【じょびょうあんらく】病を除き窮乏から救う。
*31:【しがみ】獅子の顔面を模した飾り。
獅子がもつ霊気・力強さを表している
*32:【あにら】
*34:【てんにょとくぶつ】女であることによって起こる修行上の不利な点を取り除く。
*35:縁を得る
*36:【あんてら】
*37:【あんしんしょうけん】一切の精神的苦痛や煩悩を浄化できるように授ける。
*38:【ほっす】煩悩や災いを払う
*39:【めきら】
*41:【ばさら】
金剛力士(仁王)と同一とされています
*42:【おんじきあんらく】飢えや渇きに苦しむことがないようにする。
*43:【ほうけん】煩悩を斬り祓い、魔を切り裂く
*44:【くびら】
金毘羅権現(こんぴらさま)と同一とされています
*46:【みえまんぞく】衣服を与え、寒さや困窮から救済する。
*47:煩悩を斬り祓い、魔を切り裂く
*48:満足する衣服を与え、心を慰める
*49:【うしとら】
*50:【たつみ】
*51:【ひつじさる】
*52:【いぬい】
*53:【しょうし】